歯周病治療/歯周内科/内科治療/四日市市/三重県/菰野/桑名/鈴鹿

歯周病 歯周内科 四日市 三重県 さくら歯科トップページ歯周病の内科治療

1.はじめに

三重県四日市市のさくら歯科では、基本的な歯周病治療から、
再生療法・切除療法などの外科的治療まで、幅広く取り組んでいます。
歯周病治療 歯周内科 三重県 四日市市 菰野町 いなべ市 鈴鹿市更に、独自のSOIM治療(スーパー口腔内科治療)をはじめとした
口腔内科、歯周内科的治療にも取り組んでいます。

歯周病は簡単に治る病気ではありません。
従って、様々な治療法を症状や状況、ご要望に応じ、
取捨選択して治療を行い、少しでも皆様の楽しい食生活を
支援できるよう取り組んでいます。

このページでは、その中でも手術を行わず内科的に治療する必要性と、
その方法についてご説明致します。



2.なぜ内科的歯周病治療が必要なのでしょう?

歯周病は、たとえ現在軽症でも将来重症になるかもしれません。
そのリスクを調べる方法として、お口の中にどのような細菌が存在するかを調べ、
悪玉度の強い細菌が存在すれば、それらを抑制(理想はゼロ)しておくことが、
リスクの低減につながります。

また、既に進行した歯周病の場合、基本的な治療で良好な状態にならない場合が多く、
別の方法で対処する必要があります。

このような場合に有効な方法の一つが口腔内科治療です。


(1)細菌のコントロールとして

(a) 局所の細菌をコントロール

三重県 歯周病治療 鈴鹿 亀山 桑名 津歯周病の原因は、歯周病菌です。
歯周病菌が存在しなければ、歯周病にはなりません。
ただし、歯周病菌を完全に駆逐することは困難です。
現実的には歯周病菌を低いレベルに保つことにより、
歯周病の進行や再発を抑制するという対応が必要になります。

この目的で行われる歯周病の基本治療だけでは、
細菌抑制は一時的で、相当丁寧な歯磨きを行わない限り
短期間に再び細菌が増殖してしまいます。
そこで、薬、光殺菌、次亜水、オゾン水、3DS、FMDなどを使用して、
細菌をコントロールする口腔内科的治療が必要となります。

(b) 全身への細菌拡散をコントロール

歯周病治療 菌血症近年お口の中の細菌が血液中に
侵入し、全身の臓器に悪影響を
及ぼしていることが、研究により
明らかにされてきています。
血液中に細菌が侵入することを
「菌血症」といいます。

お口の中の悪玉菌を減らすこと
により、全身の病気の抑制にも
つながります。

イ) 歯周病治療と菌血症

菌血症 歯周病菌歯周病の治療や外科処置(抜歯など)を行うと、
大量の細菌が血管内に侵入します。
右上の表は、歯周病治療を行うことにより、どのくらいの確率で
血管内に細菌が侵入するかを示したものです。
治療行為のほとんどにおいて、かなりの確率で細菌の侵入が
起こっていることがおわかり戴けると思います。

たとえば、歯ぐきの下の歯石取り(SRP)は、歯周ポケット内の細菌は
減少させますが、逆に細菌を血管内に押し込んでいるとも言えます。

健常者においては、一時的な発熱等以外に急に健康を害することはありませんが、
長い目で見れば全身への悪影響は否定できません。
一方、心疾患のある方や人工関節のある方などでは、
直ちに重篤な問題を起こすことが有り、より注意が必要です。

歯周病を治療することにより、全身の健康に悪影響を及ぼすことは好ましいことではありません。
そこで、あらかじめお口の中の細菌を大幅に減少させ、歯周病菌が再び増殖する前に
短期間で一気に治療を行えば、細菌の侵入はごく微量になり全身への悪影響も
ほとんど無視できます。
子のために必要な方法が、「歯周内科・FMD」とよばれる方法で、
さくら歯科における口腔内科的治療の中でも重要な項目です。歯周病 内科治療 三重県 先頭へ

ロ) 歯磨きと菌血症

「歯周病治療で細菌が血管に入るのであれば、治療しない方が良いのでは?」
とお考えになる方もおられることでしょう。
しかしそうではありません。

歯磨きとエンドトキシン右の表は歯磨きを行うか否かと、
歯周病菌などの細菌中に存在する
内毒素(エンドトキシン)が
血液中にどのくらい存在するかを
調べた研究の結果です。

歯磨きを実験的に中止した期間では、
当然ながら歯垢(歯に付着する細菌)
が増え、結果的に歯ぐきの炎症も
悪化します。

しかし問題はそれだけに留まりません。
血液内に歯周病菌など由来の内毒素(エンドトキシン)が侵入し、
白血球も活動が活発化しています。
しかし、歯磨きを再開することにより、これらの数値はほぼ元に戻っています。

イ)で述べたように、歯磨きだけでも菌血症は起こりますが、
だからといって歯磨きをやめてしまうのは更に危険であることが、
おわかり戴けたと思います。
むしろ、歯磨きをしても菌血症が起きないような口腔環境を整えること、
即ち

・ 歯周病があればきちんと治療すること、
・ 出来れば歯周病にならないよう予防すること

が重要です。

ハ) 咀嚼と菌血症

ある研究によると、食事のために噛む(咀嚼)するだけでも、
17〜51%の確率で血管に細菌が侵入します。
歯周病が進行し大きく揺れている歯では、その動きがポンプの働きをし、
大量の細菌が血管内に送り込まれます。
従って、重度歯周病の歯をあまり無理して残すことは、健康上好ましくないと
考えられます。

ニ) 日常性菌血症と治療による菌血症

イ)で述べたように、歯周病の治療で大量の細菌が血管内に侵入します。
それに比べると咀嚼や歯磨きによる細菌の侵入数は、それほどでもありません。
しかしこの日常習慣による菌血症は、長期間継続するため
細菌の血管内への累積侵入数は圧倒的に、この「日常性菌血症」の方が多いので、
軽視できない問題と言えます。


(2)免疫力をアップするために

細菌がゼロに出来ない以上、存在する悪玉菌を増殖させない
『免疫力』のアップも重要です。
しかし、免疫力アップはそう簡単に出来るもことはありません。

免疫力をアップするために、さくら歯科では各個人の健康状態や生活を検査・調査し、
オーダーメイドの対応を行っています。



3.どういう人に内科的歯周病治療が必要なのでしょうか?

主に以下のような方が対象となります。

・ ご自身のお口の健康を保つためには何でも行いたい、という方
・ お口の健康だけでなく、全身の健康にもつなげたい、という方
・ 歯周病の手術の結果をよりよくしたい、という方
・ 手術はしたくないが、なるべくお口の健康を保ちたい、という方
・ 面倒なことはイヤだが、なるべく歯を長持ちさせたい、という方
・ 短期間で治療を行いたい方

その他、お子様への歯周病菌感染を予防したい、という方などにも行います。歯周病 内科治療 三重県 先頭へ



4.歯周病内科的治療の種類

四日市さくら歯科における歯周病の内科的治療の項目として、
以下の項目を取り入れています。

歯周病 内科治療 鈴鹿 川越 菰野 三重郡・ FMD法
・ 歯周内科(antibiotics)
・ 次亜水・オゾン水の利用
・ 光殺菌療法
・ 乳酸菌(probiotics)
・ 食事療法(prebiotics)
・ 栄養療法(分子栄養学的対応)
・ サプリメント
・ 3DS
・ 漢方薬
・ 口呼吸から鼻呼吸へ
・ その他

以下にその概要を説明します。



5.FMD法

FMD(full mouth disinfection)とは、24時間以内にお口の中全ての感染物を
排除する方法のことをいいます。
感染物の除去は、歯周病の原因となるバイオフィルムや歯石を除去することにより行います。
部分的に何回にも分け歯ぐきの下の歯石を取る(SRP)従来の方法では、
歯石を取っていない部分から先に歯石を取った部分に歯周病菌が再感染してしまう、
と言われています。

FMD法は「感染物の除去」という処置を伴うので、厳密には内科治療ではなく、
歯周基本治療に属する処置ですが、歯周内科や特殊な殺菌水を使用する治療を
行う際に必要な処置ですので、この項に分類しています。

再感染を防止する目的で、消毒剤などによる歯周ポケット内洗浄を伴う方法や、
内服抗菌薬を併用して歯周病菌を激減させ、
その結果術中・術後の血管内への細菌侵入(菌血症)も最低限に留める
方法があります。(後述する歯周内科)

本法の詳細については、FMD法のページもご覧下さい。



6.歯周内科


三重県四日市市の歯周内科

(1) 歯周内科とは

歯周病の治療は、原因となる細菌バイオフィルム(細菌の集団)を
機械的に除去することに重きを置くのが一般的です。
それに対し、特殊な薬剤を使用することにより、歯周病菌を除菌し、
内科的に病状の安定化を図る方法のことを、歯周内科と言います。

患者様ご自身にはっきりわかるほど、症状が短期間で改善されるのが特徴です。

ただ、歯周病そのものが完全に治るわけではないので、
薬を使うだけで歯周病に打ち勝った、と早合点してはいけません。

歯周内科は、

『歯の健康を取り戻す第一歩』

として有効です。

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(2) 歯周病関連菌検査

(a)歯周病菌の検査

まず、歯周病原因菌の中でも毒性の強い細菌(下記)が歯周病の病巣内に
どれくらい存在するかを調べるPCR法検査を行います。

・ P.g (Porphyromonas gingivalis)
・ T.f (Tannerella forsythia)
・ T.d (Treponema denticola)
・ A.a (Aggregatibacter actinomycetemcomitans)
・ F.n (Fusobacterium nucleatum)
・ P.i (Prevotella intermedia)

PCR法と呼ばれる細菌のDNAを検査する信頼性の高い方法を用いて検査します。
更に、全体的に重症の方には、P.g菌の遺伝子型をオプションで検査することも可能です。

カンジダ検査(b)真菌の検査

歯周病菌の上皮内親友を手助けするという説もある
真菌(カンジダ:カビの一種)がお口の中に存在するか
検査を行います。

真菌と歯周病の関連性には諸説ありますが、
詳細は後述します。

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(c) 歯周病の原因はバイオフィルム

バイオフィルムとは、細菌などの微生物が排泄する物質(グリコカリックス)で囲まれた、
微生物の集合体のことを言います。
バイオフィルムを形成した細菌は、抗生物質に対して約1000倍も強くなるといわれています。

歯の表面についた細菌は、このバイオフィルムという状態でこびりつきます。
従って、市販の薬用歯磨きや殺菌作用のある洗口剤はもちろんのこと、
一般的な抗生物質でさえもこれらの細菌をやっつけることはできません。
(ただし、お口の中を漂っている細菌には効果があるので、洗口剤を寝る前に使用すると
 朝お口の中がすっきりすることがあります。しかし、歯の表面の細菌は死んでいません。)

歯周病が簡単に治らないのは、原因となる細菌がバイオフィルムを形成しているからに
他なりません。

バイオフィルム中の細菌は、同じ細菌のみならず異なる細菌たちとも互いに情報伝達を
行っています。
これを『クオラムセンシング』と呼びます。

歯周内科で使用するマクロライド系抗生物質は、このクオラムセンシングを阻害する
可能性が示唆されており、バイオフィルムの形成を抑制および破壊するのではないか、
と考えられています。
従って、他の抗生物質とは一線を画す効果が期待できます。歯周内科 先頭へ



(3) 歯周内科についての学会や研究会の見解

歯周病の二大学会(日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会)では、
歯周病菌検査を行わず歯周病治療に抗生物質を使用するのは、
耐性菌(抗生物質の効かない菌)増加の原因となるので避けるべきである、
との見解が主流となっています。

歯周病 内科治療一方、歯周内科を提唱・推進している国際歯周内科学研究会の
2011年秋季カンファレンスの中で講演された王宝禮先生
(大阪歯科大学教授)は、以下の様に述べられました。

『わが国では、歯周病治療に対する抗菌薬の使用法は混迷を極め、
 国民に誤解を与えています。
 例えば、「歯周病を抗菌薬で治す」という表現は間違いであり、
「抗菌薬は歯周病関連細菌に有効である」が正しい表現
です。』(抄録より引用)

『抗菌薬の適正使用を考える際に、個人的防衛的な観点から感染病態をできるだけ
 早期に診断し、原因菌を的確に捉え、原因菌に抗菌力を示す薬剤の中から
 最も抗菌力の高い薬剤を選択することが必要です。
 また、集団的防衛的な観点からは、耐性菌蔓延対策を如何に抑制し、
 現有効菌薬の寿命を如何に延ばすという点が課題です。』(抄録より引用)

つまり、『歯周病は薬で治る』というキャッチフレーズを掲げていた
国際歯周内科学研究会も、むやみやたらと薬を処方するのは好ましくない、
という考えに方向転換しつつあるようです。
その一環として、必ずしも正確が診断の出来るとは言えない顕微鏡検査だけでなく、
PCR法と呼ばれる正確な方法も導入し、適切な薬の使用を心掛けるようになるようです。  

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(4) 歯周病学会の歯周病と真菌の関係に関する見解

学会では、真菌に対する薬(抗真菌剤)の使用に否定的ですが、
他の薬を使用しても症状が改善されない場合、真菌が歯垢の中に存在するか検査を行い、
多くの真菌が存在することを確認した場合にのみ、当院でも使用することがあります。

この件に関して、かつて日本歯周病学会のホームページに、

正しい歯周治療の普及を目指して―抗真菌剤の利用を批判する―

という論文が掲載されていました(現在は非掲載)

(日本臨床歯周病学会も、HPで否定しています。)


(5) 国際歯周内科学研究会の歯周病と真菌の関係に関する見解

一方、国際歯周内科研究会では、抗真菌剤の使用を推進しています。
(国際・・・と銘打ってはいますが、現在のところ日本を中心とした研究会です。)

抗真菌剤を歯周内科に使用することは、健康保険では認められておらず、
保険診療との併用は出来ません。
保険診療で真菌に対応する場合は、真菌に作用するといわれている、
ある特殊な歯磨剤(液)を代わりに使用します。


(6) 奥羽大学 玉井利代子准教授の、歯周病と真菌の関係に関する研究

奥羽大学歯学部 玉井利代子准教授は、2011年以降、

『歯周病原性細菌の宿主細胞への侵入における真菌の増悪効果に関する分子生物学的研究』

と題する研究を行っておられます。

その研究で玉井准教授は、
歯周病原性細菌のP.gingivalisによる歯周組織構成細胞などの宿主細胞への侵入機構と、
真菌であるCandida albicans(カビ)またはその菌体成分による
P.gingivalisの侵入増強メカニズムについて、検討しておられます。

その中で、

培養された歯肉(歯ぐき)の細胞が Candida albicans(カビ)と触れた場合、
触れていない細胞に比べて歯周病菌を3倍取り込みやすい、

ということを突き止められました。。
つまり、歯周病の進行に真菌(カビ)が関与している可能性があることが
わかってきたのです。

この研究は2014年まで科学研究費補助金が下りているようなので、
更にそのメカニズムまで解明されることが、期待されます。


(7) 歯周内科の注意点:歯周内科の実情

『歯周病は薬で治る』

最近、こう書かれているホームページを目にする機会が増えています。
更に、

『歯周病が歯周内科で○○%完治する』

との記述さえ見られます。
しかし、歯周病は様々な因子により進行・悪化しますので、
薬を使っただけで殆どの歯周病が完治することはあり得ません。

また、当院を受診された患者様の中には、歯周内科に使用される抗生物質を
個人輸入で購入され、使用した方もおられました。
しかし、薬を飲んだだけでは歯周病菌が残存し、
結果的に耐性菌を増やす原因にしかなりません。
実際その患者様の歯周病は自覚症状はないものの重症のままでした。
薬を自己判断で購入、使用するのはお避け下さい。

近年、位相差顕微鏡を使用して患者様のお口の中の細菌を見せ、
それらに有効な抗生物質を使用した歯周病治療(歯周内科)を行っている
歯科医院が増えています。歯周内科の注意点

しかし、顕微鏡では細菌の種類は特定できないので、
歯周病菌の存在を確定することはできません。
従って、PCR法と呼ばれる精度の高い検査を行って、
まず歯周病菌の存在を確認することが必要です。

ただ、正確な歯周病菌の検査はコストがかかるため、
通常はせいぜい1〜2本の歯しか検査ができません。
一方、顕微鏡検査はコストがかからないので、何カ所からでも細菌を採取できます。
その点において、顕微鏡検査は有用といえます。
また、唾液中の細菌を検査すれば、お口全体の細菌を検査することも可能ですが、
よりコストがかかります。歯周病 内科治療 三重県 先頭へ


(8) 歯周病菌に用いられる薬

現在歯周内科で一般的に使用される薬剤は、

・アジスロマイシンというマクロライド系抗生物質
・アムホテリシンBという真菌(カビ)に作用する薬剤(抗真菌剤)

を使用します。
抗真菌剤を保険診療で歯周病治療に使用することはできませんので、
保険診療を望まれる方には、真菌(カビ)抑制効果のあるといわれている、
特殊な液体歯磨剤を使用します。

上記抗生物質を歯周内科のために使用することは保険診療では認められていませんが、
歯ぐきに炎症がある場合などは、その治療目的で使用することは可能な場合があります。
詳しくは、ご来院時にご説明致します。


(a) 歯周病菌を大幅に減少させることの多い薬剤

ここではまず、アジスロマイシンについてお話します。
アジスロマイシンは、他の種類の抗生物質と異なり、上記B.で述べたように
細菌バイオフィルム(歯にこびりついた細菌の塊)のバリアを破壊して、
細菌の集団の中に有効成分が浸透します。
しかもこの薬は白血球の中に入り込むので、白血球のたくさん集まるところ、
つまり歯周病が進行し細菌が多数存在する場所に高濃度に移行します。
その結果、歯周病の進行した部位の細菌を約1週間集中攻撃し続け、
歯周病菌を激減させます。

歯周内科の特徴きちんと研修を受けた歯科医師であれば、この薬の乱用にならない
使用方法を心得ていますが、残念ながら見よう見まねでこの薬を
使用している歯科医師が多いのが現状です。
その結果、耐性菌(抗生物質の効かない細菌)が増えることが、
懸念されています。

当院では、精度の高い検査法(細菌のDNA分析)で原因となっている細菌を調べ、
悪玉度の高い細菌が検出された場合にのみ、それに効果のある抗生剤を投与する
ことにより、原因となる細菌を大幅に減少させる事に成功しています。歯周病 内科治療 三重県 先頭へ


(b) 歯周病細菌学の父:ソクランスキー先生の見解

歯科医師向け冊子『歯界展望』2009年7月号に、横浜の武居先生とソクランスキー先生の
対談が掲載されました。

ソクランスキー(Sigmund Socransky)先生は歯周病細菌学の権威で、
その研究は歯周病学の今日の発展に大きく貢献しています。
武居先生は単身ボストンに渡り、かつて留学していた際の伝手を頼りに面会を申し込み、
その熱意に押された先生が快諾し、対談が実現したそうです。

武居先生の所属するスタディーグループは、歯磨き指導を中心にした歯周病治療を
古くから実践し、手術をなるべく行わず、歯周病治療に薬を使うことを否定するグループです。

一方、ソクランスキー先生は既に第一線を退いておられますが、
現役時代は歯周病治療に抗菌剤を併用することを、研究しておられました。

武居先生は、歯周病を徹底した歯磨き指導で治し、しかも長期的に安定した良好な経過を
たどっている治療例を、ソクランスキー先生にプレゼンテーションしました。
その上で、『私たちのグループは、歯周病治療に抗菌剤を使用する必要性を見いだせない。
もし(ソクランスキー)先生が薬を使用する必要性を私たちに示していただけるのであれば、
我々も薬を使いたい』 という趣旨の質問をしたそうです。

それに対しソクランスキー先生からは、

『抗菌剤を使用すると、ほんの少し治療の成績が向上するが、
 その代償として抗菌剤の副作用のリスクを患者に与えてしまうことになりかねない』
『35歳以下の急速に進行した歯周病や、なかなか治らない歯周病など、
 一部の特殊な場合を除いて、できれば薬を使用せず治したい』、

という、意外な答えが返ってきたそうです。
歯周病微生物学の父とも言われるソクランスキー先生のお言葉は、非常に重いと言えます。

当院では、薬を使用した歯周内科の効果を認めつつも、その応用を慎重に選択し、
必要性の高い患者様に限定して行っています。

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(c) カビ(真菌)に作用する薬剤・液体歯磨き剤

また、真菌と呼ばれるカビの一種が、治りにくい歯周病の一因になっているのではないか、
という説があり、抗真菌剤(カビの薬)を投与する場合があります。

当院でも、希望される方には抗真菌剤を使用します。(自費診療)

保険診療においては、薬でない下記の歯磨剤(液)を代わりに使用します。
(この歯磨き液は歯磨き粉と同じ扱いですので、保険給付対象となりません。)
詳しくは、ご来院時にご説明致します。


(d) 真菌に作用すると言われている特殊な歯磨き液

この歯磨き液は、もともと肉類腐敗防止剤の目的で食品として開発されたもので、
人体に安全な天然成分だけで作られています。
したがって、飲み込んでも問題はありません。
通常の歯磨き剤には、ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性(石油科学系物質))など、
多くの化学成分が含まれています。
一方、この歯磨き液には化学物質が含まれず、天然成分だけで構成されています。
よって安全な歯磨き剤といえます。

その効果は抗真菌剤には及ばず、また、医薬品ではありませんので、
『真菌に効く』と言う医学的データはありません。
しかし、使用した歯科医師の実感として、約8割程度の効果を有するのではないか、
と主張している歯科医師も存在します。


(9) 歯周内科の注意点

歯周病に薬を併用する方法は、手軽に習得できるので今後取り組む歯科医院が増えると
思われます。
この方法により、(見かけ上の)症状の改善、経過の安定化に役立つ場合があります。
この方法を慎重に選択すれば、有効な場合もあり、当院でも以前から時々採用しています。
しかし、全ての歯周病が『治る』わけではありません。

歯周内科といわれる方法で抗生物質を投与されると、症状が急激に改善されます。
ただ、、症状がなくなっても、多くの場合歯周病そのものが『治る』 訳でなく、
歯周病の病状を長期にわたり安定化させているだけですので、
薬だけで全てが解決、とはいきません。

歯周病を治すためには、時間をかけた歯磨きが最も重要です。
ただ、それだけでは充分な病原菌の除去は出来ませんので、
専門家による歯の周囲の定期的なお掃除も必要です。
重症の方には手術も必要になる場合があります(歯周病の外科治療のページ参照)。

歯科医院のホームページには、いとも簡単に良い結果が出る様な情報が氾濫していますが、
実際は一つの方法で充分な結果が得られるとは限らないことを、是非知っておいてください。歯周内科 先頭へ


(10) 当院の歯周内科

三重県四日市市 さくら歯科 歯周内科当院でも歯周病の薬物治療(歯周内科)を行っています。
ただし、行う患者様は、厳選しています。

位相差顕微鏡における観察のみで、先に説明した薬剤を使用する
場合もあります。
ただし、特に全体的に歯周病が進行し、とりあえず進行を
一旦安定させる必要性の高い方を中心に行っています。

当院で時に行う方法は、正確な歯周病細菌検査(細菌のDNA分析)を
行ったのち、検出された細菌に有効な薬剤を、機械的にバイオフィルムを
除去した瞬間から投薬し、的確な除菌を行う方法を用いています。
悪玉菌が検出されない場合は、薬剤は使用しません(必要性が低いため。)

当院では、何度も説明しているとおり、適材適所、他の方法と併用して使用します。

さらに、歯周内科を更に発展させた、希望される方には『スーパー口腔内科』も
行っております(自費診療)。


(11)歯周内科と歯周外科併用法

歯周外科を行う前に、骨の再生などの手術成績を向上させる目的で、
歯周内科治療を行う方法です。
歯周病の超悪玉菌がお口の中に存在する場合に、最も良い結果が得られます。

詳細については、後述します。



7.次亜水・オゾン水の利用

海外では、歯周病菌や虫歯菌の殺菌に、クロルヘキジンとよばれる消毒薬が
使用されています。
しかし、日本では同薬の有効濃度でのお口の中への使用が
原則許可されておりません。
その代わりとして近年歯科の分野で利用されているのが、次亜水とオゾン水です。

(1) 次亜水

次亜水は次亜塩素酸水ともよばれています。
好中球(白血球の一種)は、侵入してきた細菌に対して
次亜塩素酸(HClO)を産生することにより殺菌しています。
次亜塩素酸は人体における殺菌能力の本質であるとも言えます。

この次亜塩素酸を含んだ水を次亜水と呼び、近年医療の分野を始め
様々な分野で使用されています。

次亜水の利用法として、

・ 歯周ポケット内の洗滌や歯ぐきの下の歯石取りの際に使用
・ 毎日のうがい薬として使用

などがあります。
うがい薬として継続的に使用するのは、未知の副作用の問題や
お口の中の善玉菌まで殺してしまい、細菌のバランスが崩れることなど
欠点も多いことから、当院では推奨していません。

(2) オゾン水

歯周病 オゾン水オゾン(O3)は酸素原子3個からなり、それを水に溶かしたオゾン水は
強い殺菌力を有し、脱臭力もあります。
オゾンは食品添加物としての使用も認められています
ヨーロッパでは水道水の殺菌はオゾンで行われています。
しかも、オゾン水に含まれるオゾンは分解されて酸素に変わるため、
無害で安全性が高いといわれています。
したがって多くの医療機関で利用されています。

歯石を取るときや、歯周ポケット内の洗滌等で使用される場合があります。

次亜水と異なり、生成後すぐに使わないと効力がどんどん落ちてしまいます。
水道水を原料とした場合、約30分後には濃度が半分になってしまいます。歯周内科 先頭へ



8.3DS(Dental Drug Delivery System)

患者様個人にあったドラッグリテイナーという器具を作成し、
その中に様々な薬剤を流し込んでお口の中に一定時間装着し、
歯に付着した細菌や、歯周ポケット浅部に存在する細菌を大きく減らし、
歯周病や虫歯、菌血症を防ぐ方法です。

詳しくは3DSのページをご覧ください。



9.光殺菌療法(aPDT)

青い色素(光感受性ジェル)を歯周ポケット内に挿入し、
専用の照射器で歯周ポケット内や歯ぐきの表面から強力な光を照射することにより、
歯周ポケット内に活性酸素を発生させて、色素に染色された細菌を
選択的に殺菌する方法を、光殺菌療法(aPDT)と呼びます。

医科では既に1990年頃から早期癌に対して使用されてきましたが、
歯科では数年前から使用されるようになりました。

詳しくは、光殺菌療法 aPDTのページをご覧ください。



10.プロバイオティクス

乳酸菌 プロバイオティクス

近年、「菌により菌を制す」という、プロバイオティクスと呼ばれる
考え方の研究が進んできています。

例えば、 Lactobacillus salivarius TI 2711 (乳酸菌LS1) は、
歯と歯ぐきの隙間の細菌中へと移行し、P. gingivalisと呼ばれる
歯周病菌をを減少させるとともに、歯周病の臨床症状を改善する
傾向が認められた、との報告があります。
(虫歯菌にも有効との報告もあります。)

ただ、その効果は限定的でした。

一方、最近別の乳酸菌により、虫歯菌や歯周病菌を減少させる
ことができた、というデータを元に開発されたサプリメントが、
日本でも発売されました。(右グラフ)

市販の洗口剤などに含まれる殺菌剤は悪玉菌にあまり効果がなく、
むしろ善玉菌を多く殺してしまう傾向が強いのに対し、
この方法は、主に悪玉菌を減少させる目的で使用されます。

単独では効果が充分ではありませんが、他の方法と組み合わせると
効果的です。

四日市のさくら歯科では、 

・「薬を使いたくない」
・「薬を使用した後で、更にお口の中の細菌の状態を改善したい」
・「歯石取りの効果を高めたい」
・「歯磨きだけでは不安なので、サプリメントの助けを借りたい」

という方などに使用します。歯周内科 先頭へ



11.食事療法(プレバイオティクス):食育指導

免疫力をアップさせるために、食生活の改善は必須です。
さくら歯科では管理栄養士・健康管理士による食事指導を行っています。
(詳細は後述)


(1) 食育とは?

三重県 四日市市 食事 栄養 サプリメント食育とは、国民が生涯を通じて健全な食生活を実現し、
健康の確保等が図れるように、自らの食習慣や食に関する様々な知識と、
食を選択する判断力を身に付けるために行う取組みのことをいいます。

近年、食育指導を歯科医院で行う必要性が高まりつつあります。
三重県四日市市のさくら歯科には管理栄養士が常駐し、
あなたの健康を広い視点から支援していきます。
また、院長も健康管理士として、食事に関するアドバイスを
随時行います。


(2) 管理栄養士が必要な理由

管理栄養士が常駐している歯科医院は、全国的に見てもまだまだ希な存在です。

それでは、なぜさくら歯科には管理栄養士が配置されているのでしょう。
それは、歯科治療にとって実は食育指導が非常に重要で、
歯科でそれを行う事により、様々な全身疾患の予防にもつながるからです。

歯科医師法第一章第一条には、

『歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌ることによつて、
公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。』

食育 歯周病 指導 桑名市 鈴鹿市 亀山市と記載されています。
ここで重要なのは、

「歯科保健指導を掌る」
ではなく
「保健指導を掌る」

とされいることです。
つまり、「命の入り口、心の出口」とも言われるお口からは、
生きるのに欠かせない栄養だけでなく、
様々な病原体も入ってきます。
これらの入り口であるお口の健康を向上さあ競ることが、
結果的に全身な健康向上にもつながることがわかってきました。

しかし、歯科衛生士には栄養学的な基礎知識はほとんど無く、
歯科医師は栄養学や生化学は習っているものの
栄養指導の実践的な教育を受けているわけではありません。

だから栄養指導に関する専門教育を受けた、管理栄養士が必要なのです。

更に、当院には健康管理士の資格を有する看護士も在籍し、
特定保健指導(メタボ健診における指導)を行うこのとの出来る研修も受講済みです。
管理栄養士とは異なる視点から、お話を伺うことを重視した
生活に踏み込んだ指導を行う場合もあります。

また、四日市さくら歯科では、高精度体成分分析装置を使用し、
・ 体の4大構成成分
・ 骨格筋
・ 脂肪
・ 部位別の筋肉バランス
を 高精度に測定し、食事指導に役立てています。


(3) 歯周病と食育

食育指導 愛知県 滋賀県 近年、比較的若い世代のの重症歯周病患者様が、
多数来院されます。
それらの方の多くは、生活が不規則であったり、
食習慣に問題がある場合が多いようです。

偏った栄養、清涼飲料水など糖類を含む飲料の多飲、
スナック菓子の多食など、食生活の西洋化が進んでいます。

特に、糖類の過剰摂取は歯ぐきの血管に何らかの障害を来し、
糖尿病になる前から歯ぐきに悪影響及ぼしているのでは
ないか、と考えられています。

日本人が長寿なのは、『和食』がバランスのとれた、体に優しい
食事であることが大きな理由です。
日本人は元々インシュリンを出す能力が欧米人より少なく、
そのような民族が欧米人のような食事を摂れば、
健康により大きな影響を及ぼすのは明白です。

歯周病 予防 和食 四日市さくら歯科歯周病は簡単に治る病気ではありません。
食生活がバランスのとれた健全なものでなければ、
歯周病は多くの場合、治療しても再発・進行します。

また、歯周病が進行すると、
噛めない → 軟食を好む → 炭水化物に偏った食事
→ 重要な栄養素の欠乏

により、更に進行してしまう、という悪循環に陥ります。

当院では、進行した歯周病患者様には、食生活を調査し、
改善点を指導しています。

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12.栄養療法 ・・・ 免疫力をアップさせる


(1) 免疫力低下の要因

免疫力は様々な要因で低下します。
三重県 四日市市 歯周病 いなべ免疫力を左右する因子の例として、

食生活、ストレス、腸内環境、口呼吸、睡眠不足、運動、喫煙、低体温

などがあります。

バランスの良い食生活こそが、免疫力アップのために重要な要素です。・
食生活については、『11.食事療法(プレバイオティクス):食育指導』をご覧下さい。

ストレスの解消

ストレス解消は、歯科医院での根本的解決は難しい側面がありますが、
さくら歯科では出来るだけお話を伺ことにより、ストレスを少しでも軽減して戴ければ、
と考えています。
また、ご自身でも積極的に適切な休養を取るよう心がけて戴き、
趣味などでストレスを発散することも重要です。

腸内環境の改善

腸内環境は、免疫力に最も影響を与える因子の一つです。
さくら歯科では分子栄養学的血液検査(内科などで行う検査とは検査項目が異なります)を行い、
患者様に不足している栄養素を調べます。
ただ、不足している栄養素を食事又はサプリメントで摂取したとしても、
なかなか効率的に体内に取り込まれません。

そこで、便検査なども行って腸内細菌叢などを調査すると共に、
それが効率的に吸収される環境を整えることにより、
免疫力の向上を図ることにも取り組んでいます。

免疫力アップ 四日市さくら歯科 歯周病
睡眠

また、睡眠が十分でないと、免疫力が低下します。
このことは、動物実験によって確かめられています。
20分程度のお昼寝も免疫力をアップするといわれています。

適度な運動

適度な運動でも、免疫系の細胞が活発になり、免疫力がアップします。
ウォーキングなど軽めの有酸素運動の継続は、免疫力アップに効果的です。

口呼吸

口呼吸も免疫に影響を与えます。
さくら歯科では、鼻呼吸を行うための訓練についても指導しています。
因みに、口呼吸はお口の中を乾燥させ、このことも歯周病悪化の要因になります。
口呼吸については、15.口呼吸から鼻呼吸への項をご覧下さい。

禁煙

喫煙により、歯肉溝・歯周ポケットへ免疫細胞が集まる能力が減少します。
また、喫煙をしている方は歯肉の線維化と毛細血管の減少が生じ、
その結果、歯肉の血流が減少することにより、局所の免疫が低下します。
よって、喫煙者にとっては禁煙が最大の免疫力アップと言っても過言ではありません。

低体温の改善

体温が低いと免疫力が低下します。
低体温の改善には、毎日20分程度の運動を行ったり、
タンパク質の摂取が効果的だそうです。
ただし、日本人は胃酸の分泌が不足している方が多く、
そのような方がタンパク質を多く摂っても消化吸収できません。


(2) 分子栄養学的対応

歯周外科や歯周内科を行っても結果の好ましくない場合があります。
そういう方や、手術を回避したい方の治療成績を向上する目的で、
分子栄養学的対応を行います。

分子栄養学とは物理学者である三石氏が提唱した考え方です。
受け入れ側の身体を分子レベルで考え、各栄養素の役割を最大限に把握し、
個人個人の身体の状況に応じ必要な栄養素を検査で明らかにし、
必要な栄養素を吸収させることにより、病気を予防することを目的としています

歯周病治療 名張市 伊賀市分子栄養学では、

・ 高タンパク
・ 高ビタミン
・ 活性酸素の除去

を重視することにより、遺伝子をフルに活動させるための
栄養素を補充します。
この方法は血液検査を含む、多くの検査を必要とします。

さくら歯科は、歯周病に抵抗する免疫力を確保することに特化した
栄養療法に取り組んでいます。


(3) 生活習慣病などに対する不要な薬の服用をやめる

高脂血症治療薬であるプラバスタチンによる冠動脈疾患(狭心症・心筋梗塞)の
発症抑制効果について、5.3年間に渡る4000人規模の研究が行われました。
その結果、

5.3年間に冠動脈疾患を発症したのは、

・ 食事療法+プラバスタチン群 → 1.71%
・ 食事療法単独群 → 2.55%

でした。
つまり、プラバスタチン服用による冠動脈疾患抑制効果は、

・ 相対リスク 33%減
・ 絶対リスク 0.84%減

という結果となりました。
「33%減」という数字を見ると、まあまあの効果があるのでは?
と思われるかもしれませんが、そうではありません。
この結果を別の表現で表すと、

119人に5.3年間治療すると、一人の冠動脈疾患を予防できる

ということになります。
つまり、メバロチン(プラバスタチンの商品名)の薬価を136円/日とすると、

一人の人間を冠動脈疾患から救うために、3149万円が必要

という、大変効率の悪い、コストがかかる治療であると言えます。

したがって、ある有名な内科の先生は、
「高脂血症の患者には、抗酸化作用のあるサプリメントなどで対処すべきである」
と主張しておられます。
その副次的効果として、歯周病の改善の助けにもなる可能性があります。

ただし、そのような治療法に理解のある内科医の指示を仰いでから
減薬や断薬を行う必要があります。歯周病 内科治療 三重県 先頭へ



13.サプリメント


(1) ラクトフェリン

ラクトフェリンのLPS解毒能力ラクトフェリンは1939年に牛乳から発見されたタンパク質です。

ラクトフェリンは唾液にも含まれており、
お口の中の病原微生物や歯周病菌に対する抗菌活性を有します。
ウシラクトフェリンを摂取した研究によると、

・ 歯周ポケット内の歯周病菌数が減少し、歯周病の症状が改善
・ 歯周病菌から分泌されるLPS(毒素)をラクトフェリンが中和し、
 TNF-αと呼ばれる炎症性サイトカイン(細胞間の情報を
 伝達する微量タンパク質)の産生を抑制することで、
 歯周組織の炎症や歯周組織の破壊を防ぐ

などの効果が認められています。

MMP-1(matrix metalloproteinase 1)とは、
コラーゲンを分解・断片化するタンパク分解酵素のことを言います。

歯周病菌毒素(LPS)が存在すると、
このMMP-1が多く産生されます。
ところが、LPSにラクトフェリンを加えると、
MMP-1の産生量が抑制されます。(右上グラフ)
その結果、ラクトフェリンを加えることにより
コラーゲンの合成量が増えます。(右下グラフ)
これは、ラクトフェリンがコラーゲンを産生する線維芽細胞の
遊走(方向性を持った移動)を促進することによります。

歯周病などで出来た傷の治り(創傷治癒)は、
線維芽細胞がコラーゲンを産生し、そのコラーゲンを足場に
毛細血管が発達し、流れ込んだ血液が線維芽細胞に
酸素や栄養を供給し、更にコラーゲンの産生が進むことにより
傷口に侵入し修復します。

従って、ラクトフェリンは歯周病などによって出来た傷の治りを
助ける作用があると考えられます。


(2) 活性酸素を除去するサプリメント

活性酸素は、白血球が細菌を攻撃するときに出される、
体にとって重要な物質です。
ところが、この活性酸素は細胞を劣化させる原因(遺伝子を攻撃するなど)となり、
歯周病の進行にこの活性酸素が関与している、という説もあります。

一方、体内には活性酸素を取り除く SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という酵素が存在します。しかし、 活性酸素が大量に発生すると体内に元々あるSODだけでは処理しきれなくなります。 そこで、SODのように抗酸化作用を有する物質:SOD様物質を含んだ食品やサプリメントを摂取することにより、 活性酸素を除去することが、歯周病進行の抑制につながる、と考えられます。

SOD様サプリメント代表的な活性酸素の種類は、下の4つです。

・ スーパーオキシドアニオンラジカル
・ 過酸化水素
・ ヒドロキシルラジカル
・ 一重項酸素

代表的な抗酸化物質『アスタキサンチン』は一重項酸素に対して
ずば抜けた抗酸化作用を有しますが、
当院で取り扱いのあるサプリメントはSOD様食品を原料としており、
上記4種の活性酸素に対するバランスの良い抗酸化作用を有します。

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14.漢方薬

補助的に漢方を使用する場合もあります。




15.口呼吸から鼻呼吸へ

口で呼吸するとお口の中が乾燥し、唾液の抗菌作用が弱まり、
歯周病が進行する一因となります。
従って口を閉じて鼻で呼吸することが重要です。

しかし、長年の習慣を簡単に変えることは出来ません。
鼻呼吸を実現するために様々な訓練法がありますが、
最も簡単で長続きするのが、
福岡のみらいクリニックの今井先生(内科医)が考案された
『あいうべ体操』です。

(1) あいうべ体操

下の写真のように、『あ』、『い』、『う』と声を出しながらゆっくり口を動かし、
最後に『べー』と舌を思い切り出します。
(声は出さなくても良いそうです。)
これを10回連続で行い、1日3回行います。(計30回)
あいうべ体操

皆様もあいうべ体操を一度行ってみて下さい。
顔と舌の筋肉が疲れることがおわかりになると思います。
従って、これを毎日続けると顔と舌の筋肉が鍛えられ、
口を閉じて鼻呼吸がしやすくなります。
もちろん、日頃から鼻で呼吸をすることを意識することも重要です。

(2) 就寝時 口にテープを貼る

歯周病の進行した方に多く見られる口呼吸の影響を少しでも軽減するため、
夜寝るときに口にテープを貼ると効果的です。
口にテープを貼って寝ると、風邪をひきにくくなうことも多いようです。
四日市のさくら歯科では、口にテープを貼る生化学的理由、
注意事項等を必要に応じて説明しています。

詳しくは、口腔内科のページをご覧ください。



16.より良い状態をお望みの方に・・・歯周外科

歯周内科は、あくまで病状の安定化を狙った治療法です。
重症の歯周病になってしまった方は、多くの場合、手術をした方が歯は長持ちします。
歯周病系の学会の認定医や専門医になるためには、
複数の手術を伴う治療例を学会に提出しなければなりません。
なぜなら、重症の歯周病は手術をしなければ治せない場合が多いからです。

当院では、手術が必要な方にも、以下の目的で歯周内科を併用しています。

・ 手術が出来ない方の病状安定化
・ 手術を望まれない方の病状安定化
・ 手術を行う方に対しても、その成功率を高める目的
・ 重症の歯周病の進行抑制(のんびり治療していると、どんどん悪くなりそうなケース)

歯周病の手術にご興味のある方は、歯周病の外科治療のページをご覧下さい。



17.再発防止処置(メインテナンス)又は継続治療(SPT)

歯周病の定期検診 メインテナンス SPT

如何なる歯周病治療を行った後も、自己管理だけで歯周病の再発を
防止することは困難です。
6ヶ月以内に1回の頻度で(通常は3ヶ月に1回)で継続的に管理を
行うことが必須です。

この件に関しては、歯周病と基本治療のページをご覧下さい。

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